毛を短く剃ってしまえば白髪も目立ちづらくなります。しかし、剃るだけで白髪がなくなるわけではありません。剃ったあとで毛穴から覗く白い毛が気になる人もいるでしょう。
一方、髭の白髪を目立ちづらくするためには「剃る」以外にも「染める」という手段もあります。長い髭を残したい人に有効な手段でしょう。ここでは髭の白髪を染めて隠す方法について紹介します。
なぜ白髪は生える?メカニズムは毛髪と同じって本当?
白髪ができるメカニズムは実は髭も髪も同じです。
すべての体毛は毛根にある毛母細胞で作られます。このとき作られたばかりの毛には色がついていません。毛母細胞の周りにあるメラノサイトという色素細胞の働きで黒いメラニン色素が作られ、初めて毛に色がつくことになります。しかし、メラノサイトの働きが何かの原因で弱ってしまうと、毛を染めていたメラニン色素が作られなくなってしまいます。そのため、毛が白いまま皮膚表面に伸びてきてしまうことになるのです。
体毛が生えてくる仕組みは毛の種類に関わらず共通です。したがって髪や髭はもちろん、アンダーヘアや耳毛といったところにも白髪は発生します。白髪の原因はメラノサイトの働きの低下です。弱っていたメラノサイトが復活すれば、白髪が生えていた場所にも再び黒い毛が生えてくるようになります。
メラノサイトが活発にメラニン色素を合成してくれるかどうかは、日頃の生活習慣と深い関わりがあります。栄養バランスの悪い食生活や睡眠不足、ストレスを溜め込むといった悪い生活習慣はメラノサイトの働きを弱らせてしまうのです。逆に言えば、生活習慣の見直しによって、ある程度白髪の予防・改善は可能です。
もっとも、加齢や遺伝など自分ではどうしようもできない原因で白髪ができる場合もあります。生活習慣の改善をしても、白髪ができてしまうことがあるかもしれません。そのときは毛を染める、脱毛するといった白髪を目立たなくする対策を取ることになります。
白髪染めを利用する!注意点やデメリットは?
できてしまった白髪を本当の意味でなくすのは脱毛しない限り難しいかもしれません。しかし、自宅で手軽に染めるという方法もあります。髪と同じように髭についても、染めることで気になる白髪を目立たなくすることが可能です。
毛を染めるというと、真っ先に思い浮かぶのが白髪染め用のヘアカラーではないでしょうか。髭も髪も同じ毛ですので、毛髪用のヘアカラー製品でも髭を染めることはできます。短時間で毛を染められる手軽さが魅力です。ただ、このような製品は便利なのですが、使用に際しては注意点もあります。白髪染めは基本的に髭を染めるようには作られていませんので、使用は自己責任になります。
顔の皮膚は薄く、刺激に対して敏感です。使うときは口の中などの粘膜に入らないようにすること、肌に直接ヘアカラーがつかないように専用の保護クリームを塗るなどして、十分注意しましょう。それでもピリピリと感じたり、かゆみを感じたりするようであればすぐに使用を中止してください。
毛染めシャンプーで染めるのもあり?効果や注意点は?
髪の毛を洗うついでに白髪染めができるのが毛染めシャンプーです。
その特徴は毎日でも使えるよう、比較的肌に優しい成分で作られていることです。1回で白髪が染まるというタイプの製品ではないのですが、使っているうちに徐々に毛を染めていくことができます。洗うついでに毛染めもできること、地肌や皮膚が染まらないことから扱いやすい毛染めグッズといえるでしょう。効果がマイルドなので肌が弱い人でも安心して使えます。この毛染めシャンプーも髭染めへの応用が可能な製品です。髪の毛と一緒に髭も洗ってしまえば髭も染められます。
ただし、毛染めシャンプーにはデメリットもあります。1つは髪用の製品なのでヘアカラー同様基本的には自己責任での使用になることです。刺激の少ない製品とはいわれてはいますが、使用前には必ずパッチテストを忘れないようにしてください。もう1つは製品の値段が高めということです。毛染めシャンプーは、ほぼ毎日使い続けることが前提の製品となっています。しかし、成分が特別な分だけ普通のシャンプーに比べると1本あたりの値段が高額になりがちです。
美容院で染める!髭の白髪染めは頼めるものなの?
自分1人だとうまく髭を染められる自信がないという人はどうすればよいのでしょうか。髪と同じように美容院や理容室でプロに染めてもらえたら楽そうですよね。髪の白髪染めは美容院や理容室で可能ですが、髭が染められるかどうかはお店によって対応が分かれます。
たとえば美容院の場合には、スタッフに髭の白髪染めを頼むことはできないと考えられます。美容師法によれば、美容師は「パーマ、化粧、結髪などの方法により容姿を美しくすること」が業務と決められています。これらの業務に髭のお手入れは基本的にあてはまりません。そのため、美容師が髭の白髪染めをすると違法になってしまうのです。
一方、理容師は「頭髪の刈り込み、顔そりなどの方法により容姿を整えること」が業務となります。この業務には、髪のカットはもちろんお顔剃りや髭剃りに関連した業務も含まれます。つまり、理容師になら髭の白髪染めを頼める可能性があるわけです。ただし、お店のメニューに髭の白髪染めがあるとは限らないので、実際に施術を頼めるかどうかは、お店の判断次第ということになります。髭の白髪染めをして欲しいという人は、まず近くの理容室に問い合わせてみましょう。
まとめ
髭を染める方法にもいくつか選択肢があります。髭の白髪を染める専用の製品はなく、髪用の白髪染めを転用することになるものの、髭も髪も同じ毛であることに変わりはありません。髪用の製品でも毛をきれいに染めることができます。ただし、顔の皮膚はデリケートです。原則自己責任での使用になりますので、肌トラブルを起こさないよう注意しなければなりません。必ずパッチテストをする、低刺激の製品を使うなど慎重な作業を心がけましょう。
最近のコメント