もじゃもじゃと濃すぎるといまいちおしゃれにきまらず、かといってツルツルすぎると男らしくない…と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。中には、女性からの目線が気になって、ショートパンツを履く勇気が出ない人もいるかもしれません。カミソリや除毛クリームなど自己処理の方法はいくつかありますが、そもそもすね毛が濃くなってしまうのはどうしてなのでしょう。そこで今回は、すね毛の濃くなるメカニズムや対策をお伝えします。
すね毛が濃いのは男性ホルモンが原因
人間の体毛の成長には、男性ホルモン・女性ホルモンが強く影響するといわれています。
男性ホルモンと女性ホルモンはそれぞれ役割を持ち、人間の身体が「より男性らしく」「より女性らしく」なるように体内でさまざまな働きをしています。たとえば男性ホルモンは筋肉を増加させたり骨を太くしたり、たくましい身体作りを促進します。
それに対し女性ホルモンは肌や髪の潤いを保ち、また月経をコントロールするなど、女性の身体の機能を支えています。他にも男性ホルモンは皮脂の分泌を促したり、女性ホルモンは自律神経を安定させたりと性別に関係なく身体の健康を維持する上で大事な役割をそれぞれ持っています。そのため男性には男性ホルモンだけ、ということはなく男性の体内でも女性ホルモンは作られています。
ただしその量は異なり、男性の体内で作られる女性ホルモンは女性の約半分、男性ホルモンは約10倍です。このようにいろいろな働きを持つホルモンですが、実は男性ホルモンには、体毛の発育を促進する働きがあると言われています。一般に男性の方が女性より毛が濃いのはそのためで、男性ホルモンが活性化している人は毛深くなる傾向があるのです。女性でも体毛が濃いことに悩む人はいますが、その場合はホルモンバランスが乱れていると考えられます。特にすね毛は男性ホルモンの影響を受けやすい部位であり、男性ホルモンの分泌が増える思春期以降に濃くなっていきます。
男性ホルモンが増える理由は?
男性である以上、男性ホルモンの影響は避けられません。
男性ホルモンの分泌が減れば体毛の発育を抑制することも可能でしょうが、他の部位にも影響を及ぼすため健康を害することがあります。
しかし心や身体にトラブルが生じ、必要以上に男性ホルモンが分泌されてムダ毛が増えてしまうことはあります。たとえば思春期はホルモンバランスが乱れやすく、一時的に毛が濃くなることがあります。思春期は第二次性徴期にあたり、子供から大人へと身体が大きく変化する時期です。男の子の場合は男性ホルモンの分泌が多くなり声変わりをしたり筋肉が増加したりしますが、急激な変化に身体がついていかず、ホルモンバランスが乱れることがあるのです。
またストレスも男性ホルモンを増やす原因になります。ストレスを感じると、人間の体内では抗ストレスホルモンであるコルチゾールというホルモンが分泌されます。実はコルチゾールにはストレスに対抗するだけでなく、男性ホルモンを増やす作用もあるといわれています。
そのため、イライラしたりひどく落ち込んだりすると体内で男性ホルモンが増えてしまうことがあるのです。またホルモンの分泌量については体質によるところがあり、遺伝の影響も受けるといわれています。両親のどちらかが毛深い人の場合は、親の体質を受け継いでいる可能性があります。
気をつけて!男性ホルモン以外にも理由がある
ムダ毛が気になって、カミソリや脱毛ワックスなどを頻繁に使っている人はいませんか。
実はそういったアイテムも毛を濃くする原因になることがあるので注意が必要です。なぜそういった刺激がムダ毛を増やす原因になるのかは、そもそも体毛が何のために生えているのかを考えれば容易に答えが出るでしょう。人間の体毛にはいろいろな役割がありますが、大きく分けて2つの働きがあります。
ひとつは体温調節です。体毛があることで直射日光を避けることができ、寒い季節には冷たい空気の中でも適切な体温を維持することができるのです。
そしてもうひとつは外部の刺激から私たちの身体を守ることです。わかりやすいのはまつ毛や眉毛、そして鼻毛でしょう。まつ毛・眉毛は目の中にホコリや汗が入るのを防ぎ、鼻毛は空気中のゴミなどを吸い込まないためのフィルターの役割を果たします。これと同じように腕や足に生える毛も、外部のさまざまな刺激から皮ふを守っているのです。カミソリや脱毛ワックスを頻繁に使っていると、皮ふに刺激が加わりダメージを負うことがあります。
すると身体は本能的に自分を守ろうとし、傷つけられた部分の毛を濃くしようとしてしまうのです。そのため、ムダ毛が気になるからといってお手入れしすぎるのは逆効果になることがあります。
濃いすね毛ストップ!ホルモンバランスを整えて
肌がダメージを負って毛が濃くなってしまったときには、お手入れの方法や回数を見直すことで改善を目指すことができます。
剃毛、脱毛、除毛などさまざまな方法がありますから、自分に合った方法も見つけやすいのではないでしょうか。
そして男性ホルモンの過剰分泌によってすね毛が気になるときには、ホルモンバランスを整えることを意識しましょう。ストレスによってホルモンバランスが乱れるのは既に述べましたが、他にも偏食や運動不足、喫煙などがホルモンバランスに影響を及ぼすことがあります。バランスの取れた食事、規則正しい生活、適度な運動を心がけ、体内を健康に保つようにしましょう。また食べ物の中にはネギや肉類のように男性ホルモンを活性化させるものもありますから、意識して食べるのもおすすめです。
ただし、男性ホルモンはもともと体毛を発育する役割があるため、適切なバランスが保たれたからといって体毛が劇的に薄くなることはありません。あくまで過剰に成長する毛を抑えるための手段だということは頭に入れておきましょう。
まとめ
体毛の発育は男性ホルモンにコントロールされており、男性ホルモンが活発に働いている人は体毛が濃い傾向があります。
特にすね毛は男性ホルモンの影響を受けやすく、毛の多さが目立つ部位といえます。男性ホルモンは健康な身体を維持するためには欠かせないものですので、体内からなくすことはできません。しかしストレスや生活習慣の乱れによって過剰に分泌されることがあり、そうなると体毛が必要以上に濃くなることがあります。毛深いことに悩む人は、ホルモンバランスを整えることで悩み解消が目指せるでしょう。またカミソリなどで肌が傷つくと、その部位の毛が濃くなることもあります。お手入れ方法を見直すことも、理想の肌を手に入れるための第一歩と言えるでしょう。
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